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写真とため息



「私は若いと周囲から言われますので・・・。」


そんなことをわざわざ彼は私に言った。



1年以内の写真が必要だと彼に私が告げたあとの答えだった。


だから、なんだというのだろうか?


最近の写真がないなら1年以上前のでいいと、私がいうのを期待されていると感じたのは考えすぎだろうか・・・?



数日後、彼は数枚の写真をもってきた。


どれも、おなじような感じ・・・。


髪は整えられているので、それはいいとしても・・・。


まるで運転免許証の写真のように、殺風景、しかも写真の上の3分の1は空白を感じる白壁。



いくらなんでも、けなすしかない。


そうでなければ、本人が後々悔やむはずだから・・・。



やっと説得して、私が映すことを承諾させた。


目的は、これではない。


これは単なるステップにすぎない。



前かがみで下から上を見る姿勢に注意をいいながら、映す。


彼は出来栄えに満足してくれたが、それはダメだと私がいう。



この日の彼の服装は、事務員の制服を着た感じでおしゃれ気がない。


しかも、肌あれはしていないがシワが目立つ。



彼らしい姿でも、お見合い写真では60%の出来栄え。


とりあえずなのだけれど・・・、


人は自分の事がわからないのかも・・・。



次はプロに任せないと・・・。