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エイプリルフールのタブー


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以前から決めていた友人達との少し早めの花見は、前々日に一人の友人が起こした事故の知らせから暗転していた。


本来なら、当事者の安否を確認するところだが、本人が知らせたということで、この確認は無視した。


つまりは、相手の状況を知る事から、私は始めた。


本人にすれば薄情な話だが、事故にあった友人の社会復帰を先に優先した形となる。


残りの友人達は、この時点ではまだ知らない。
動揺しないように知らせるのが、私のやり方。


夜遅くの知らせは、ラインですませる。
翌日、相手も本人も負傷したようだが、不幸中の幸いともいえる一晩だけのに入院で翌日退院だったようだ。


この知らせを確認した昼に近い午前中に、再び友人達にライン。
予定の日に、予定通りの花見を決行した。


もちろん、事故にあった友人は蚊帳の外。


エイプリルフールの前日のこの日は、行こうとした時間に間に合わないということになった。


阪急京都線の大山崎駅周辺で人身事故が起きたからだ。
急遽、某駅の近くで花見を変更したが、工事中。
この程度の花見だったと皆が諦めムードになった時、一人の友人が車できているから・・・と言い出した。


噂の高級車をもっている友人が言い出したので、皆がびっくりした。


車庫に大事にしまってある高級車を、この日のために特別にもってきてくれていたのだ。
友人が運転する高級車に乗るのは初めての体験。
この車で、万博記念公園へ。


万博記念公園の桜は満開で、夕方近くになると桜吹雪が舞う、絶好の日となった。
運転してくれた友人が連れて行ってくれたのは、某店。
昔ながらの繁盛店である友人は常連客で、その人達だけのメニューに私は一目ぼれをした。


食事をしながらの話は、明日のエイプリルフールの事。
エイプリルフールだからといって、何でも許されるものではない。
そう、人の生死だけはタブー。


そして時間は過ぎ、その友人が昼食に続き、夕食も奢ってもらう結果となった。
友人である限り、平等だからといっても・・・。
気を使わせてしまった・・・。