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悲しい思い出35

入院して2か月余りが経った。


そんな折に、問題を起こした男性看護師の噂が流れていた。


問題を起こした男性看護師はその後解雇になることはなく、看護主任の地位をはく奪されただけで他の部署に移っていたというものだった。


看護師の数が足りない病院としては仕方がない態様だったかも知れない。
その当時の私たち家族の要望は、彼を二度と私たちの前に出すなという事だったので、その要望だけは通った形となっていた。


3か月の入院がMaxだと言われていたが、母の病態は悪かった。


自宅介護という道があったが、こんな状態の母を介護することに私は自信を失っていた。


前回の入院と違い、この病院には系列病院のサポート体制ができていた。


サポート相談窓口が院内にあると聞いた私は、看護師長に付き添われながら窓口に行くことにした。


もう父はとっくに他界していたために介護となれば私一人となる。


兄が、某女性タレントが介護うつとなり自殺した報道を見て、私も同じようになるのではないかという心配をしてくれていたので、思い切って母をどこかへ入院させることにしたのだった。


介護施設のある病院は少なく、高額のものが多かった。


それでも半年間は高額ながらも半額に近い設定をされている病院が多かった。


介護施設のある病院ならば転院する心配はない・・・、だが高額・・・私の頭の中で処理しきれないまま、アドバイザーの説明は続いた。