花曇り
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お昼に近い午前。
今日は曇りだけれど、朝から洗濯物を干していた。
睡魔が急にやってきて、気がついたら電話が鳴っていた。
「○○です。いよいよ今月に退職します。お世話になりました。」
明るい声だけれど、相手にどういえばわからない。
物心ついてから50歳になるまで、私はこの業界しか知らなかった。
繊維業界は不景気とはいえ、ここまで落ち込むだけ落ち込んだ斜陽産業はないだろう。
以前、母に尋ねたことがある。
どうしても、家業を継ぎたくない、東京に行って、自分なりに適した道を生きてみたいと思っていたからだ。
母は、「衣食住にかかわる産業は、潰れない。まして、うちの仕事はなくならない。」と言われ、その通り、当時は猫の手も借りたいほど多忙だった。
何度か、出てゆく機会をはかったが、極めつけは母が病に倒れたとき・・・。
そこからは、ずっと介護の日々だった・・・。
昼近くに表にでると、近所のご夫妻も外出されるときだった。
退職されたであろうご主人はジーンズ姿、奥さんは着やすそうなワンピース。
バッグには、何か入っていそうだ。
昨日も、今日もお花見に行くそうだ。
平凡な日常。
私には、なかった気がする。
いつも、何かに追われていた。
何気なく、お昼を夫婦で・・・、ピクニック・・・。
それはとっくに諦めた日常。
今の私に必要なのは、終活かな・・・。
春になった・・・、独りだけれど・・・、春は春。
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