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独りになりたいと思った季節は、どうしても一人きりになれなかった。


働いて、働いて、眠っているときだけが天国だった。



土日祝日になれば、デートとばかりに人が集う。


その側で、私は昼夜を問わず仕事をしていた。


あの頃は、誰かが私を見染めてくれないか?


仕事ばかりしないで・・・と誘ってくれないだろうか?


そんな人がいないと、私の休日はないのに・・・と、思っていた。



独り暮らしにあこがれていた頃は、まだよかった。


30代に入ると、親が倒れてしまう。


独り暮らしという単語は吹っ飛び、いよいよ休日なんてない。



親は老いて、身体が不自由になり、逝ってしまった。


近所の95歳になる女性。


私の食生活を尋ねてきた。


成り行きとはいえ、今日は煮物を作って持っていった。



感謝はされたが、だからといって継続する気はない。


この人は、たまたま1人暮らしだけれど、子供も孫もいる。


お節介は禁物と、自分に言い聞かず。



本当の独りぼっちになるまで、1人になれなかった。


結局、自分の運命を変えることができなかった・・・そう思った。