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Mの反乱

もうそれは大変な状態だった。


mの場所は、遠方で飛行機以外での日帰りは難しい場所であった。


その頃の私は小旅行さえもままならない状態だった。



mは日頃の仕事のストレスと孤独に悩まされていた。


両親も亡くなり、放置した豪邸を売り払った彼女は日常の不満を私にいった。


日を追うごとにヒートアップする彼女。



最後の手段として、婚活パーティーに誘うことにした。


パーティーの参加勧誘と違うのは、話し相手を探していることだ。


その話し相手となる彼は、なんでも快く受けてくれると知人から聞いたので、本人に打診してみた。


けれど殆どといっていいほど、彼のことは知らない。


それでも、いくらかの情報は知人から聞いているので、まったく知らないことはない。


彼のプロフィールをmに告げた。


mはエリート街道まっしぐらのお嬢様育ち、彼は真逆の人だった。



数週間後、mは私に電話してきた。


彼と交際することにしたというのだ。


びっくりしてしまった。


おそらく話があったのでそうなったのかもしれないが、二人の環境が違いすぎると思った。



しばらくして、彼は私のもう一人の友人にSNS上でちょっかいをしようとした。


私は、彼から何も報告は受けてはいない。


交際しだしたmとはどうなっているのか?とmに尋ねる。


mは私に平静を装って、「なんでもない」という。



深夜、mの交際相手の彼からの着信あとを見た。


お風呂にはいっている間のこと、時間も時間なので知らぬ顔で明日にしようと思った。


しかし、そう思っていた頃に電話がなった。


私の友人限定で教えている電話番号に教えた事のない彼からの電話だった。


私は「何故、この電話番号がわかったの⁈」と問えば、mから教えてもらったという。


私の了承なしに教えるのか⁈とびっくりする。



「SNSの機能の裏技を使って、いきなり知らない男性からかかってくれば誰だってびっくりするだろう?もし、間違いなら、本来の使用であるメッセージを何故残さなかったのか?」と問う私に、彼は無言だった。


私は知っている。


縁をつなぐより切る方が簡単なのだ。


でも、そんなことをしようとは思わない。


この訳のわからない彼の言動と、今後は私のプライベートの電話番号を削除することを約束させた。



やっと彼は「真剣に付き合おうと思っています。すみません。」という彼にあきれるしかない。


私を無視しておきながら、困ったら深夜でも電話をかけるのか⁈



そして交際相手なら、私が秘密にしている電話番号を簡単に教えてしまうのか⁈


今まで親友だと思っていたmだが、もう連絡しないほうがよいと思った。



2か月後、彼が理想としていた男性がお見合いを申し込んできた。


もう、彼女は婚活の場にもいない。



そして、親友だと思っていたmへの感情は、一気に下がっていった。


ほんの少し、親友だと思った時期でも、彼女はそうは思ってはくれなかったらしい。



mのために、やるべきことは全てやり終えた感もあるが、見返りはない。


今後、私からは連絡しない、と思うばかりだ。