「もう、あんな奴と別れなよ!
だんだん腹が立ってきた!!」
静かなホテルのレストラン。
窓は、温かい陽だまりを感じる午後。
辺りは、和やかな会話・・・。
老若男女、おしゃれな料理に堪能しているのに・・・、私はメニューを勝手に決めて、これでよいかと友人たちに確認した。
コロナ対策で4人しか座れない広いテーブル。
壁にもたれるように私が愚痴る。
本当に怒っている理由はいえない。
全部事情をばらしているようで、肝心の事は、自分の胸の中にしまい込む。
約2年も、お預けの結婚話。
見守るしかないと思ったが・・・、気に入らない!
相手の担当アドバイザーの態度が・・・。
いや本当は・・・、言えない。
結婚話は、積み重ねるのが大変。
それでいて、仲人の立場なら簡単に壊せる縁。
「なんか、怒りっぽくなったよね?」
友人が私を憐れむようにいう。
違う!1年1年が大事なのは私じゃない!
私の加齢のせいにする友人を見るふりをして、待たされている彼を見る。
本心を言えば、ぶっ潰したい!
でも、そんな権利は全くない。
グッと料理と一緒に、口の中にいれて飲み込む。