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悲しい思い出11

自宅に帰った私は自分の部屋でテレビを見ていた。


テレビのCMをみながら、母の事を考えていた。


自分で注射器を打つのを嫌がった母だけれど、母が16歳のときに学校の家庭かの授業でドーナツを揚げていた際に、油がはねたことで顔面を大やけどしたことがあったそうだ。


そのとき、母と他2人の3人が大やけどを負ったそうだが、1人は服に油がかかってかろうじて大したことではなかったそうだ。


母ともう1人が、顔面に大やけどを負ったという。


その人は後にあったが、確かにやけどの跡があった。


母は、病院に行ったが1件目の治療院では治らず、すぐに他の病院へと駆け込んだそうだ。


そのとき診て頂いた当時30代の医師が熱心に治してくださって、母のやけどは完治したそうだ。


そんなこともあって、母は医師を目指そうとしたようで必死に受験勉強して医科大学にみごと合格したという。


当時の母の実家はお金持ちだったから、家庭教師をすごく雇い入れたらしい。


何故なら、母の姉と弟である、伯母と叔父はとても優秀な成績だったそうだが、母は遊ぶのが大好きな少女であったため祖父は悩んでいたそうだ。


それなのに、ある日突然医者になりたいと言い出したのだ。


祖父はとても喜んだという。


祖父の財力のおかげもあり、頑張った母は見事に合格したが、医科大学は3年目で中退している。


祖父には、体調が悪くなったという理由であったが本当は科目のドイツ語が苦手であったが、それを悩んでいる最中に、あこがれの医師が亡くなったことで目標を失ったというのが真実のようだった。


恋に恋する少女がそのまま大人になったような母らしい理由といえばそうなのかもしれないけれど・・・。